鼠の騙し討ち

太刀打できますん

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この度、近所の家電量販店が閉店する事になりました。
開店してから3年も経っていないのではないでしょうか。結構大きな店でして、私が住んでいるような田舎に立つことから、小さな店ならいざ知れず、このような大型店舗なら長く居座る事になるだろうと思っていた矢先、姿を消す事になるとは正に晴天の霹靂でした。全然利用してませんでしたが。
中にはホームセンターなどもあり、そこに置かれている植物を見て和む事が好きだった私にとって、これは閉まる前に足を運ばなくてはならないという使命感という名の連休の暇つぶしに店を冷やかしてきました。

しかし閉店セールなんてものはしておらず、恐らく、ちょっと離れたところに支店がありそこへ商品を移すだけだから別段セールなどしなくても良い、という事でしょうか。
それから店の中を最新機器に見えるけども多分型落ちなんだろうな、と思いながら機械音痴の鼠が一匹フラフラと歩いていると、扇風機売り場に出くわしました。
皆さんご存知の通り、私は柳亭種彦も驚くほどの扇風機フェチで通っているので、扇風機売り場を凝視していたのです。
そしたら店員さんがニコニコとしながら私に話しかけてきたのです。
「お客様。こちらの商品はですね」
と頼んでもいないのに説明をし始めるのです。
しかし、扇風機にさしたる違いなんてあるのですかね。今、冬なんですけど、こんなもの置いて売れるのですかね。というかエアコンがあるから別に要らないのですけどね。むしろ部屋に二台も埃を被っているのですけどね。
そんな言葉が喉から漏れそうになりましたが、ここはグッとこらえました。なにせ閉店セールですから店員さんのやる気もひとしお。ここで詰まらないことを言ってもしょうがありません。

「なんとですね、こちら、マイナスイオン発生装置が付いておりまして」
「へぇ~そうなんですか~」
今時マイナスイオンで話題を膨らます術を持たない私は相槌が精一杯でした。

しかしここで思い至ったのですが、これを姉へのホワイトデーのプレゼントにしてみてはどうだろうか、と。以前はお土産に買った瓦煎餅を差し出して、はいホワイトデーだから、と言うも虚しく、ありがとう、とか普通に言われてポリポリムシャムシャ食べられてしまったのです。むしろ一緒に、おいしいね、とか言って食べていました。
なんでやねん、の一言くらいあってもいいんじゃないだろうかと。復讐するは我にアリ、です。
この扇風機を部屋にドカーンと置いて、シュタッと片手を挙げ退散するのです。インパクト大。突っ込まずにはいられないはずです。
よし買おう。そう思い店員さんに。
「じゃあ、これ下さい」
「ありがとうございます」
「四千台ほど」
「は!?・・・え、あの・・・はぃ?」
「いやだから、四千台。下さいよ」
「いえ、あの、四千・・・いや在庫の方がございませんので・・・」
「なんで無いんですか。おかしいじゃないですか。だったらこんなとこ置いとかないでくださいよ」
「いえ、その、一台で十分では・・・」
「四千って言ってるじゃないですか、聞こえないんですか? 四千ですよ。四千。中国の歴史と同じですよー」
「えーと、その、はい・・・・・・あぁー・・・・・・まぁ、その内な」
「店員さんタメ口ッ!?」
「四千台でしょ? はいはいそのうち届けますから」
「今日で閉店じゃないんですか!?」
「知りませんよ・・・えーと、そうだ、これってまだ説明してない機能があるんですよ」
「別にいらないですよ、そんな説明・・・」
「まあ見ててください。・・・ここを外して・・・いいですか? 羽を保護しているカバーをですねこうやって外して、羽も外して、反対側のカバーも外して・・・カバーだけをくっつけて・・・」
格子状のカバーを手に持った店員さんはニッコリと言いました。
「泡だて器じゃん?」
「聞くなよっ! でかすぎだよっ!」
「このような機能を持つことから、母の日のプレゼントに購入される方がおられまして・・・」
「連れて来いっ!! そいつ連れて来いよっ!! 向こうで売ってる泡だて器、俺がソイツに買わせてやるよっ!!」
「他にも機能が御座いまして、この下の止め具だけを外しまして・・・お客様、失礼ですが手を拝借してもよろしいですか?」
訝しみながらも律儀に手を出してしまう私。
「これで・・・」
私の手にカバーをはめ込む店員にちょっとキレた。
「ブン殴ぞーーー!! ほっぺたとか網目状の痣作ってやろうか!! なんだこれっ!! 手を閉じたバルタン星人かよっ!!」
「お客様、オチがまだでして・・・」
「知るかっ!!・・・・・・で、なんだよ、オチ」
お人よしのように聞いてしまう。
「鍋つかみとしても、ご利用いただけます」
ニッコリ
「・・・・・・ぇー。・・・・・・マジでー。ここって漫才で言ったらノリ突っ込みのターンだよなぁ・・・」
ニッコリ
「ぁー、ぇっと・・・ぅ、うわぁ~シチューの鍋が吹き零れてた~いへ~ん。どうしようかしら~。は、早くコンロから降ろさないと。でもでも、取っ手が熱そうで素手じゃ無理だわ~・・・・・・あっ! そういえば、この扇風機って鍋つかみとしても利用できるんだったわ。ワタシったらうっかりさん。・・・よ~し、じゃあ、このカバーを手にはめて・・・って、片手やったら熱いやろがあぁぁぁぁ!!」
ガッチャーン、とカバーを床に叩きつけた私は、羞恥に駆られ、逃げるように帰りました。
「お待ちくださいお客様ッ!!」
しかしまわりこまれた。
「もうやめて・・・俺のライフはゼロよ・・・」
「えーと、ですね・・・あ、そうだ。これにはまだまだ機能が御座いまして」
「“そうだ”って言ったよなっ!! 考えながら喋ってんだよなっ!! だったらもう売れない芸人みたいなコントはやめろよっ!!」
「CDラックとしても・・・」
そのまま膝から崩れ落ちるように絶対降伏宣言。
私は携帯小説を馬鹿に出来ない。そんな事を思い知った一日でした。

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Author:あきねずみ

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