鼠の騙し討ち

太刀打できますん

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体は別腹で出来ていた。
血潮はクリーム、心は砂糖
幾たびの食卓を越えて不敗。
ただ一度の配送もなく、
ただ一度の残飯もなし。
担い手はここに独りキッチンの丘でスポンジを焼く。
故に、我が満腹器官に意味は要ず。
この体は、“無限の別腹で出来ていた”

“Unlimited Another belly”


「パルフェ」の感想です。
ショコラの二番煎じ、と銘打たれているこの作品。作中で舞台になる喫茶店「ファミーユ」は、前作ショコラの舞台になった喫茶店「キュリオ」を真似して作られたものだが、彼らはどんな手を使おうが守りたい大切なものがあった。
これは、失われたが捨てることは出来ない、大切なもの、家族を守る話。

高村仁は、亡くなった兄のため、そして落ち込んだ姉のため、喫茶店「ファミーユ」を始めることで二人の思い出を守ろうとし、仲間の助力を請い、姉を立ち直らせ、自身も大事な人を見つける。順調に行っていたファミーユだが、火事に見舞われ兄と姉の思い出の場所と、仲間たちと過ごした場所を失ってしまう。
そして、半年後に降って沸いたファミーユ再建の話。高村仁は、姉や仲間に反対されながらもファミーユを立て直そうとする。


この作品を語る上で外せない、というかこの作品の全てが里伽子シナリオにあると思うので、里伽子シナリオについてのみ。彼女の攻略を最後に回すことによって、他のシナリオでの彼女の言動が活きてきますしね。
流石にネタバレが致命的に響くので、プレイ済みの方のみ続きからドゾ。


家族がテーマであるこのパルフェ。主人公の家族偏愛主義・仁にとって家族は何よりも大事なもの、と繰り返し主張し、それを実践してくる事から、どれだけ彼が家族思いの人間であるかが知れるのですが、その彼の家族への愛情が時として周りの人を蔑ろにしてしまうほどのものだとしたら。


じゃあ、家族でなければ?

「何よりも家族を優先する」と言い亡くなった兄の思い出を大事にする仁に対して、「ここにいないひとよりも、目の前にいるひとのほうが大事」と主張する里伽子はこの「パルフェ」と言う物語のアンチテーゼ的な位置にいるキャラクターでしょう。
そして彼女のその性質は、彼女の身に降りかかった事件とその原因から来る、後天的なもの。それは彼女自身が持っているものではなく、仁に対して発せられていたメッセージなのでしょう。

それまで他のヒロインでは、挫折を周りの仲間と姉妹の力で乗り越えたシンデレラや、向かいの店にいる好敵手や、いらない子と思い込み他人に自分を認めさせることで自分をいらない子じゃないと認めることや、全てを失いバラバラになってしまった仲間の為に文化祭で失ったものを再現しようと走り回ることや、姉と弟と言う壁を乗り越え結ばれる事や、それまで辛いながらも和気藹々としてきたこの作品で、里伽子はその世界観に冷水を浴びせかける。
彼女が背負っているものが、それほど重く、また家族偏愛主義の仁としては家族の所為で大切な人を傷つけ、そして今までも傷つき続けていたという事を突きつけられる。
彼女が火事の現場に飛び込み、自分が死ぬかもしれない無謀をやり、怪我を負い、またその事実を隠し通したのは彼女の責任であって、仁は何もしていない。
しかし、火事の現場に飛び込んだ彼女の行動は、仁の家族への思いやプレゼントされたブレスレットからなる言動から始まるもので、さらに火事の後、家族を優先する事で里伽子に自らを頼らせもせず、その後も彼女の変異に気づく事もできなかった。
今まで家族の事を考え、さらに絶大な信頼を寄せることで甘えていた里伽子に対して、その彼女の傷に感づくような穿った見方は仁には出来ず、明かされたその事実を突きつけられたら、どうしたって仁は罪悪感を覚えることになる。
家族優先で生きてきた仁にとって、家族よりも、と言う言葉は無い。けれども、家族以外に、と言う言葉から来る大切な人が里伽子だったはず。しかし、その彼女を今まで苦しめてきた末、別れを告げられたのなら、彼にとっての行動は一つしかなかったのでしょう。


なら、家族になればいい

仁は里伽子に対し、結婚をして家族になろうと言う。
仁のその言葉は、家族以外は決して一番になることは無いとも取れる。やはり家族と他人には一線を引いており、家族になっていなかった里伽子を否定しているように見ることも出来るのですが、しかし、それは仁にとって、里伽子が家族にしたいほど彼女を愛していたからなのだと思います。
仁の言葉から、彼がしようとするだろうことを理解できる里伽子にとっても、その誘いは、しょうがないなぁ、と言いつつ受け入れることの出来るもの。
そもそも、里伽子は仁の一番近くにいたいと願っていたなら、その答えを待っていたのでしょう。


「ごめんね、戻って来れなくて・・・
お店、手伝えなくって、ごめんね」

「里伽子・・・里伽子ぉ」

「チーフ、だったのに。
責任、果たせなくなっちゃって、ごめんねぇ」

「大丈夫、大丈夫、だから・・・
お前が育てた、みんなは
ちゃんと、受け継いだ、から」

「それも・・・寂しいよ。
本当は、ずっと戻りたかったんだよ。
みんなのとこ、帰りたかったんだよ・・・っ」

「おかえり・・・
ようこそ、ファミーユへ」


ファミーユを育て上げ、火事にも飛び込み、彼の大切にしている家族と、彼から貰った彼女の大切なものを取り戻そうとし、そのために再建したファミーユにいられなくなってしまった彼女が、一番に帰ってきたかったに決まっているじゃないですか。



どうでもいいのですけれど、かすり編でV.G. NEOのBGMを聞いた途端、あのSEをこの身を持って覚えていた事を実感した瞬間、体から熱い何かがほとばしったのは私だけじゃないはずだ!!

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あきねずみ

Author:あきねずみ

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