鼠の騙し討ち

太刀打できますん

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失敗した。と言うのにはこの状況は正しく当てはまらないだろうな。失敗と言うのは前提となる何がしかの過程が必要で、この場合は失敗すら出来なかったんだから。

人間二人が裸でベッドの上に居ると言う姿を見れば、誰だってその二人が夜の行為に勤しんでいた事くらいは明白だろ? だけど、二人を包み込むこの重苦しい雰囲気はそこに何かの問題が発生したと知るには十分すぎる。

「意気地なし、っていうかぁ根性無しぃ」

そう言った相方に対して持てる言葉は俺には無く、ただ叱られた子供のように俯くばかりだった。
その瞬間までは順調だったと思う。酒の席で知り合った小奇麗な女とホテルに入り込みシャワーも浴びずにいきなり押し倒した。
その後の前戯も滞りなく進んだ。今までに無いくらいのいい女を抱けて、俺は絶頂に立てるのだと思うだけで興奮は止まず無我夢中だったと思う。俺は明るく輝く明日を手にするのか、さようなら昨日までの灰色の景色たち、なんてくだらない感傷を覚えつつも行為に没頭していた。
だがしかし、何がいけなかったのか。そう、本番直前に俺は戸惑ったのだ。
なぜ俺は戸惑ったのか、と言うことには触れずに少しは言い返さなきゃならん、と一念発起。萎えてはいるが。

「根性無しとは何だ。根性くらい俺にもあるぞ。・・・その、根性の悪さなら誰にも負けね」言い返すというにはあまりに弱々し過ぎたことは俺自身が分かっているから突っ込むな。
「そんな根性は溝にでも捨ててくんない? なんで寸前で止めたのかなぁ。生殺しだよぉ。わかってんのぉ? それよりあんた初めて? なら色々教えてあげるよ、もう」
「いや、結構だ。そして初めてじゃねぇよっ。いや、初めてか、あんなことは・・・もう、なんつーか。勘弁してください」
ぶっちゃけ泣き寝入りだった。とてもじゃないが俺では挑戦するには壁が高すぎたんだ、この行為は。
「遠慮しなくていいよ」 「いや、遠慮とかじゃなくてですね、はい」敬語まで出してしまった。それくらい切に助けて欲しかった。

ごね出す俺に 「なんなの、もうっ!」 と、ちょっと相手様は切れていらしゃった。ドスが効いていており、とても恐ろしくいらっしゃった。
そりゃそうだろう、恥をかかせたんだからな。でもそれでも俺はここから逃げ出したかったので、勇気を振り絞り最後の反撃に出る。

「いや、そのぉ・・・やっぱ男同士とかやりずらくてですね・・・」
「わかった、やっぱ初めてじゃん。私が教えてあげるって。いい?まずはね・・・」

話を聞いていると、どうやら相手様は本職の方のようだった。
なんだこのオチは・・・
張本人であるところの俺自身がしかめ面を外す事が出来ないほどに難儀な事になっている。そして更に状況は悪化の一途を辿る。
一方の剥いた一物に相手側の一物の余った皮を伸ばして被せながら擦る、と言う男性同士における子作りという概念を取り払ったまるで生産性の無い性行為についての知識は心の底から要らないにも拘らず、当の相方はそんな俺の憂鬱さ加減なぞ知らぬ顔で舌好調だといってもいいくらい己の世界の講釈を順序立てて様々なアクロバティック及び想像を絶すると言うかよくそんな事考え付くなぁと呆れ返るほどの技を、数限りなく吹き込み続けている。
そして、ようやく俺の人生において橋にも棒にも三途の川にも架からない無駄以上に知りたくなかった魑魅魍魎が跋扈する無間地獄の薔薇色世界を相方は語り終えた。
なぜこんなことになってしまったのだろうか。酒の勢いでこんなことになったとはいえ、ウンザリだ。もう帰ろう。そうしよう。と思っていたのだが、ヤツの話はまだ終わってはいなかったのだ・・・

「さっ・・・それじゃあ最後に、後戯についての講義をしちゃおっか」

駄洒落という自覚がヤツ自身にはこれっぽっちも無かったと言うのが、この場の空気においての尤も悲惨な致命傷だった。忘れてしまいたい。願う事なら今すぐ頭を打ち付けて記憶障害に陥りたいが、俺には薔薇色の明日が否が応にも待っていたのだった。

<了>     




割かし自信を持って口にしたけれど、そんなに面白くは無いと思えることってよくありますよね。
私の場合そのほとんどがそうですが。
そういえば、上記のオチである後戯の~とかは以前に言った覚えがあります。クリスマスくらいに。そんな覚えがあります。
なんだろう、私は全然成長していないではないですか。人間が小さいとは思っていましたが、引き出しも小さくて狭いだなんて。
何とかしなくてはなりません。様々な本や新聞やそれら以外にも沢山の事に触れ、見聞を広げねばいけませんね。人生は日々此れ勉強であります。
などと思いましたが人間は早々簡単に少年漫画の如く短時間の修行で十倍強くなるほどの成長なんてしないもので、そんなにすさまじいスピードで成長できているのならば今頃私は暖炉の前でバスローブ姿になりソファに踏ん反り返り葉巻を咥えグラスに注いだワインを転がしゴツイ指輪と金歯を光らせながら膝に乗せたシャムネコの背を撫でているはずです。はずなのです。
それ、成長じゃなくて成金じゃない。一昔前の貧乏人からの見地による金持ちビジョンじゃない。まあいいか。
久しぶりにネタ小説考えたら疲れた。

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あきねずみ

Author:あきねずみ

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