鼠の騙し討ち

太刀打できますん

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背後でバスのドアが閉まる音が聞こえ、私は家路の道へと歩く。
寒さ以上に花粉症と治り切っていない風邪が体を疲弊させ、思い足取りで交通量の少ない車道を渡る。
そして細い道へと入り長く緩やかな上り坂を登るのだが、ここは街灯も間隔が空いており家からの明かりも届きにくい。
「お腹すいた・・・」
暗闇に寂しさを覚え呟き、ため息を吐く。最近任される仕事の量が増え、どうしても疲労が溜まってしまう。
それでも遊ぶ時間はしっかり取っている辺り、どうなのかと思うが。

家に帰ると母が私の帰りを足音で知り、台所に入る。私は部屋に入り今朝方慌しさから鞄に入れ忘れていた薬を飲み、花粉症の所為で腫れた目に目薬を挿す。
着替え終わり台所に入るとテーブルの上におかずが盛られた皿がある。家族みんなで食べていたものを分けていたのだろう。
だが少し量が足らない。
何か無いものかと母に聞こうとしたが姿が見えず、用事を片付けているのかドラマに夢中なのか分からなかったので自分で何か食べ物を探そうと見渡してふと、職場で貰ったインスタントラーメンの事を思い出す。
どこかの有名店が出している物なのだと言う。
そういったことに疎い私は特に何の感慨も無ければ作るのが面倒臭いという理由で放置していたが、今日はやたらとそのラーメンがおいしそうに見える。
お湯を注げば直ぐできる物ではなく、麺を茹で、具材を茹で、お椀を暖めた後スープを作りよく湯切りした麺を入れろと説明書きにはある。
ラーメンの癖に生意気だ。とジャイアニズムを振りかざしたところで口の尖った取り巻きが現れるでも未来のタヌキ型ロボットが登場するわけでもない。
箱に写ったラーメンの姿が見目麗しい・・・
食欲をそそるラーメンに屈した私は、ここぞとばかりに几帳面に説明書きの通りに作る。水はカップの一杯半である。

そうして出来上がったラーメンに感動していると、母が入ってきて悲しそうに言うのだ。
「・・・ごめんなさい」
何を謝っているのだろう。ご飯の量が少ないくらいで私は怒りませんよ、などと思うがもしや何かがあったのだろうか。
「どうしたの?」
そう私が聞くと、母はゆっくりと歩き出し・・・





電子レンジに入っていたカルボナーラを取り出し、私に向かって差し出した。




私が部屋に居た時に温めていたらしい。なんと言う時間差トリック。母のニヤニヤ笑いが癇に障る。
そして、その場に居合わせた弟は言った。
「ラーメン食べ終わっても、カルボナーラを替え玉に使えばええわけやな」
「・・・無茶ゆうたらアカン」
と私はげんなりしながらも完食。
当分、麺の二重奏はお断り願う。

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あきねずみ

Author:あきねずみ

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